2025年度 一般社団法人 東広島青年会議所
第49代理事長 橘高 智一
《スローガン》 「NO LIMIT ~無限の可能性を信じ、勇気をもって挑戦しよう~」
【はじめに】
「新日本の再建は我々青年の仕事である」と設立趣意書に掲げ、戦後の荒廃の中で青年有志が立ち上がり東京にて青年会議所の運動が始まりました。
私たちのまちでも、1977年11月11日より全国で628番目の青年会議所として東広島青年会議所はその歩みを始めました。以後、「明るい豊かな社会の実現」に向け、多くの時代の変化に対応し、幾多の困難に直面しながらも、これまで多くの志高き青年がまちを想い、地域の人々ために情熱を燃やし、歴史と伝統を紡いできました。
どの時代も歴史を動かし、変えてきたのは青年の力です。日々変化する激動の時代において、高い志と強い信念を持ち運動に邁進する私たちが、さらに成長しなければ輝くまちの未来はありません。諸先輩方の想いを引継ぎ、失敗を恐れず立ち向かい、私たちも無限の可能性を信じ、勇気と情熱をもって、来る創立50周年に向け力強く歩みを進めてまいります。
【仕組みの確立と理念の浸透を】
私たちの運動を続けるうえで、会員拡大は重要課題です。
東広島青年会議所としても、「会員拡大への関心と意識の醸成」「全員拡大の仕組みづくり」など、毎年様々な挑戦を行い、会員拡大に努めてまいりました。
現在、会員の平均年齢も34歳と青年会議所の全国的な会員の平均年齢よりも若く、過去に行ってきた会員拡大の様々な取り組みや仕組みづくりが実を結び、多くの成果に繋がっています。今後の会員拡大に必要なことは、全メンバーが主体的に関わることができる会員拡大の「仕組みの確立」であると考えています。
会員拡大の目的達成のために過去の成功事例を引継ぎ、仕組みをブラッシュアップさせ確立させましょう。
一方で、会員の平均在籍年数も短く、青年会議所の理念の浸透が希薄化してきていると感じます。
本年度は、会員同士が交流し、お互いを理解し合うことにより、熱い友情を深め合うこと、そして会員一人ひとりが、改めて会議所運動の目的や趣旨を根本から適切に理解できるよう運動を展開してまいりましょう。
【国際的ネットワークを先導する組織となる】
これから先、日本の総人口の減少により海外からの労働力も必要不可欠になってきます。
そのような中、東広島市を見ると複数の大学や製造業を中心とする企業の立地等により、海外の人々が移住してきており、2020年6,626人だった移住者が2024年7月末現在9,016人と約1.4倍になり数年間で比較しても、増加傾向にあります。
さらに今後は、人口20万人都市に向け留学生をはじめとする家族帯同可能な在留資格者の海外移住者の増加が見込まれ、多文化共生社会に向けた取り組みが加速していくのではないでしょうか。
現状を踏まえ、東広島青年会議所として海外の人たちに、東広島のまちの魅力、伝統や文化をより深く知っていただき、このまちのさらなる発展を目指していきたいと考えております。
そのためには、私たちが東広島のまちの魅力、伝統や文化への理解を深めていくことが必要不可欠です。
さらに、積極的に外国の歴史や文化に触れ私たちの国際に対する意識を醸成することも重要です。
青年会議所のビジョンに、「青年会議所が、若きリーダーの国際的ネットワークを先導する組織となる」とあります。
全世界112カ国で運動を展開している国際青年会議所であるスケールメリットとネットワークを生かし、私たちだからこそできる国際化への取り組みに挑戦してまいりましょう。
【まちの魅力を世界へ】
日本政府観光局によると、日本を訪れた外国人旅行者は2024年1月から6月の累計で1777万人と、上半期として過去最高であった2019年同時期を100万人以上上回り、インバウンドは今後も大きな伸びしろがあることが期待できます。
東広島市は、海・山に恵まれ、豊かな食文化や歴史ある自然風景など、市内9つの地域に多くの魅力があります。
また、東広島を代表する酒まつりは、全国的にも有名になりました。
各地域の個性溢れるまつりやイベント、地域の魅力を体験できる観光コンテンツや豊富な地域資源等には、多くの可能性が秘められています。
東広島の誇るべき地域資源を活用し、世界に届けるためには、どのような課題があるのか調査・検証していく必要があります。
外国人旅行者の増加は大きな経済効果を生み出し、地域の発展にもつながる大きな機会です。
外国人旅行者の誘致に向けて動き出すことで、地域間の新たな連携や交流が生まれ、活性化が促進されるものと考えます。
東広島の新たな可能性を創出するために、市民協働で運動を展開してまいりましょう。
【感謝の気持ちを胸に】
東広島青年会議所が創立した1977年より情熱を注がれ築き上げられた歴史は49年目を迎えます。
この長きに亘り受け継がれてきた歴史は、諸先輩方の明るい豊かな社会の実現に向け、本気で未来をよくしたいと考える使命感と揺るがぬ信念によるものです。
この情熱溢れる想いは、今でも私たちに脈々と承継されています。
そして、その誇りある想いは絶やすことなく未来へ次の世代に確実につないでいかなければなりません。
そのためには、諸先輩方への変わらぬ感謝の気持ちと敬意を胸に、会員一人ひとりが積極的に交流をはかり、受け継いでいく必要があります。
また、東広島青年会議所は1981年、修練・奉仕・友情の三信条の基、北広島青年会議所と兄弟JCとしての契りを結んでいます。
これからの組織に求められることは、地域をより良くしたいと同じビジョンを持つ関係諸団体や、志を同じくする兄弟JCとの思いやり溢れる交流が重要だと考えます。
一人ひとりが精一杯活動できているのは、尊敬する先輩、かけがえのない仲間たち、さらに、一番身近な家族や大切なパートナー、そして自身が不在の時に支えていただいている会社があるからです。
感謝の気持ちを胸に活動に取り組みましょう。
【いつ起こるか分からない脅威に備えよう】
自然災害は、近年多発しており、災害はいつどこで発生するかわからない状況にあります。
さらに、近い将来、私たちが住み暮らすまちでも南海トラフ地震による大規模被害が発生すると予想されています。
災害発生時では「自助・互助・共助・公助」が重要ですが、行政でさえも機能が停止する可能性があることを鑑みると、地域での団体や個人のつながりをより強固にすることが必要です。
2018年7月の西日本豪雨災害では、私たちの住み暮らすまちにおいても過去に経験のないほどの甚大な被害を受けたことを記憶しております。
いつ発生してもおかしくない身近な脅威に対し、平時の今だからこそ一人ひとりが防災・減災に対する意識を高め、あらゆる場面を想定し、いかなる状況にも対応できるよう私たちに何ができるのか見直しましょう。
そして、行政との連携を深め、地域の安心・安全を守るため地域に心を寄せ、自分たちがまちの防災リーダーなのだという気概をもって、防災に取り組み、地域の方々と連携して有事の際には迅速に適切な行動がとれる組織となりましょう。
【運動の価値を最大限高め発信しよう】
私たちの運動をより効果的なものとするためには、多くの共感を集められるようブランディングに取り組まなければなりません。
人々の気持ちを動かし、共感を得て運動になっていくことを考えますと、真剣にまちの未来のために事業や例会を構築する会員の想いをより直接的に届ける必要があります。
東広島青年会議所の価値とは何か、という問いに私たちは即座に自信をもって答えることができるでしょうか。
答えはそれぞれ違うかと思いますが、会に所属し続けるという選択をしたときに一人ひとりが、何かしらの答えを持っているはずです。
そこに想いをのせて人に伝えることができれば、人の心を動かし、共感を生むことができます。
会員の一人ひとりが東広島青年会議所の顔です。
東広島青年会議所のブランドはより良いまちの未来に向かって無限の可能性を信じ、勇気をもって挑戦を続けることだと考えております。そして、ブランドの確立は私たちの運動を応援してくれる身近な人と市民の信頼につながり、共感の輪を広げ運動を大きくします。
応援してくださる方がいてこそ、私たちは運動の価値を最大限高めることができるのです。
【青年にリーダーシップの開発と成長の機会を】
青年会議所の使命(JCI Mission)は、「青年が社会により良い変化をもたらすために、リーダーシップの開発と成長の機会を提供する」ことです。
この使命は、2022年の世界会議香港大会で行われた総会において再定義され、リーダーシップの重要性が強調されました。
リーダーのあり方は、リーダーとしての自覚を持っていること、また、周囲を巻き込み職務を忠実に遂行できること。であると考えております。
自覚とは、日常の行動や振る舞いにおいて間違いがないことを指します。
日々の行いが良くても、たった一度の過ちで全てが否定される可能性もあるからです。
また、与えられた職務を全力で遂行することは当然のことですが、非常に重要な要素です。
さらに、現在の東広島青年会議所において、最も必要なリーダーシップに関することは、相手を思いやり、モチベーションとエンゲージメントの向上を図ることだと考えております。
一人ひとりが高いリーダーシップを身につけ、自信を育み、能動的な行動を促すために、自己成長と自己啓発のための機会を提供してまいりましょう。
【次世代へ幸せに生きる力を授けよう】
内閣府が計7か国(日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)の13~29歳を対象に行った日本の子供・若者の主体性に関する現状調査によると、「自己表現(自分の考えを主張できる)」、「積極的な行動(失敗を恐れないチャレンジ意欲がある)」、「自己決定力(他人の言うことをそのまま鵜呑みにしない)」の3つに該当する項目で比較すると全ての項目で日本は最低の数値となっています。
高度経済成長期まで、産業界では上質かつ均質な労働者の育成が求められ、それに準じて学校教育においても「みんなと同じことができる」ようになるための教育が求められてきました。
しかし、昨今は変化の激しい予測困難な時代となり、持続可能な社会の構築には、答えのない問いに立ち向かい続け、主体的に課題を発見し解決していく力が求められ、失敗を恐れないチャレンジ意欲や優れた自己表現ができる人財、すなわち主体性を持った人財が求められております。
子供たちは、私たちの想像を遥かに超えた潜在能力を秘めています。
その可能性を最大限に引き出し、地域の未来を担う子供たちが物事に主体的に取り組み、正しい知識と行動力を身につけると同時に、人生における困難や逆境を乗り越えるための生き抜く力を創出してまいりましょう。
【最後に】
2015年度に東広島青年会議所に入会して早いもので10年が経ちました。
入会当初は、知り合いが増え、何か自分のためになればいいという自己中心的な考えでした。
しかし様々な出会いと経験をする中で、自分のためではなく、人のため、さらにはこのまちの未来のために何かできないかと考えるようになりました。
ひとりの力で地域や組織を動かすのには限界があります。
しかし、自分の限界点を決めつけて自らの可能性に蓋をして、過去の経験から活動範疇を決めつけてはいないでしょうか。
青年会議所は、そんな既成概念で固まった殻を破って自己成長させてくれる場所です。
私自身、青年会議所における活動の過程では多くの困難や挫折があり、逃げ出したくなるようなこともありました。それでも活動を続けることができたのは、意識と行動を前向きに変えさせてくれた先輩、辛い時に支えてくれた家族、かけがえのない仲間の存在があったからです。
これまでの自分よりも、ほんの少しでもいいから背伸びして失敗を恐れず挑戦してみようじゃないか。
「あなたとならもっと組織をより良くできる」
「青年らしく自由な発想でもっと地域をより良くしよう」
挑戦しなければ何も変わらないし、何も変えられない。
限界なんてないさ。
NO LIMIT ~無限の可能性を信じ、勇気をもって挑戦しよう~